既に1月も中旬を過ぎました。
まもなく2月ということもあり、スーパーの売り場には節分の豆まき用の豆が、
並び始めました。
ところで、節分になぜ豆を食べるようになったのでしょうか?
今回は節分について、分かりやすく解説していこうと思います。
節分の歴史
そもそも節分とは、「季節を分ける」つまり、立春(2月4日頃)の前日を指すことから
きているようです。※2021年から節分は2月2日(詳細は後述)
節分の考えは、先に述べたように季節の分かれ目、つまり日本のように四季がある国の独特の
風習ということになります。それぞれの四季の始まりは、立春・立夏・立秋・立冬になります。
なぜ立春の前日の節分の日だけ今でも節分の日と言われるかというと、
そもそも太陽黄経といわれる太陽の通り道とした歴(旧暦)の考えの上で、
立春は年の始まりとされており、1年の開始とされていました。新年の始まりという1年でも
大きな意味合いの1日の前日という事で、四季の中でも立春は重要であったということです。
その前日ですので、1年の最後の日ということになりますね。今で言う大晦日です。
節分の考えの描写が見受けられる一番古い書物は、平安時代の作家、藤原道綱母の「蜻蛉日記」に
人々の鬼遣(おにやらい)に興ずる描写があります。室町時代になると都の公家や武家で豆まきとして行われるようになりました。
室町時代というのは、飢饉と疫病に苦しめられていた時期であり、このような時代背景も豆まきの文化へ繋がっていったと
考えられると思います。
要するに、節分の考えは平安時代には日本に浸透していたが、豆まきが行われるようになったのは、室町時代から
ということです。
なぜ節分で豆をまくのか?
現代の節分といえば、「鬼は外、福は内」というかけ声をだし、豆を撒く風習です。
そして、豆を年の数だけ食べるという慣例ではないでしょうか。
そもそもなぜ豆を撒くのか、については歴史と日本古来の考えを知ると分かります。
現代でも言われていますが、「季節の変わり目には体調を崩しやすい」という考え。これは古の時代も同じです。
特に昔は、医者や病院など当然現代とは違い、風邪をひいてから大病になり、命を落とすことも少なくありませんでした。
当時の人々は、この病魔を鬼、疫鬼として恐れたわけです。
そしてその鬼を祓うもの「魔滅(まめ)」に由来しています。鬼の目である「魔目(まめ)」を滅ぼす「魔滅(まめ)」
すなわち「豆」ということです。農耕民族であった日本人にとって、五穀は生活に欠かせないものでした。
五穀とは、米・麦・あわ・ひえ・豆のことです。当時の日本では穀霊信仰が一般的であり、
穀物には力が宿るとされてきました。現代でも神事でも用いられ、神聖なものとされてきました。
故に、豆には鬼をはらう力があると考えられてきたのです。
※豆まきのかけ声は地方により風習が異なります
節分で豆を食べるのはなぜ?
前段でも記したように、節分における豆の役割は、鬼を滅することであり、
豆には神聖な力が宿っているものとされてきました。その豆を鬼にぶつけることで、1年の無病息災を願う意味合いが
あります。そして撒かれた豆を自分の年齢(数え年)の数だけ食べる、もしくは年齢の数より1つ多い数を食べることで
身体が丈夫になり、風邪をひかなくなるという習わしがあります。
※食べる数や、細かい風習にかんしては地方によって多少の違いがあるようです。
節分の日はいつ?
お気付きの方もいると思いますが、節分は2月3日ではないの?という疑念です。
2021年の節分は2月2日になります。
物心ついた頃より、2月3日であったはずの節分。今年の節分の日を手帳などでみても
2月2日になっているのでなぜだろうと思ったのは、私だけでは無いはず。
そもそも立春は、上記にも記しましたが、2月4日頃という曖昧な表記。
故に立春の日の前日である節分も2月3日頃な訳です。
理由は、現代の暦はグレゴリオ暦が用いられていますが、そもそも立春は太陽黄経が315度となる日
になります。太陽黄経は天体の動きに基づいているので、日付は年によって1日ないし2日の誤差が生れます。
ちなみに、我々の常識である2月3日節分というのは、ここ数年では1985年から2020年まで2月3日でした。
更には、将来の日付予測は、軌道計算による予測でしかないので、確定ではありません。
2021年から2057年までは、4年に1回2月2日が節分で他の3年は2月3日になります。
つまり、来年2022年の節分は2月3日になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
節分というと、豆まき、豆を食べるといった行事であることは認識されていますが、
今回は少し踏み込んで節分について知っていただけたでしょうか。
穀霊信仰のあった日本ならではの、神聖な穀物である豆の力で、1年の無病息災を願う習わしであり、
豆を食べる事で、身体を丈夫にし、健康でいることを目的としています。
調べて見ると諸説あったようではありますが、豆が鬼という敵に対し投げつけやすかった大きさであり、
五穀の中でも、大きさで適当であったことや、煎った豆を使うことで、撒いた豆から芽が出なく都合が良かった
など、微笑ましい考えもあったようです。
今年の節分では、ちょっとしたウンチクを持って子供達に伝えてみるのも面白いのではないかと思います。
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