ドナルド・トランプ氏の過去の破産について調べてみた

ドナルド・トランプ氏は、元アメリカ大統領として知られていますが、実業家としても長年にわたり成功と挫折を経験してきました。その中でも特に注目されるのが、彼が関与していた企業の破産歴です。今回は、トランプ氏の過去の破産について詳しく調べてみました。

トランプ氏自身は破産していない

まず最初に確認しておきたいのは、ドナルド・トランプ氏自身は個人として破産を申請したことはないという点です。しかし、彼が経営に関与していた企業は、合計6回にわたって「チャプター11」（連邦破産法第11章）の適用を受けています。

チャプター11とは、企業が経営を続けながら債務整理を行う「再建型の破産手続き」です。この制度を活用することで、トランプ氏は会社の資産やブランド価値を維持しつつ、負債を軽減してきました。

トランプ関連企業の破産歴

トランプ氏が関与していた企業の主な破産歴を振り返ると、以下のようになります。

1. 1991年：トランプ・タージマハル（カジノ）
   アトランティックシティに開業したカジノ「タージマハル」は、過剰な借入によって経営難に陥りました。結果として破産申請を行い、銀行との交渉で株式の一部を譲渡することで負債を軽減しました。
2. 1992年：トランプ・プラザ・ホテル（ニューヨーク）
   トランプ・プラザ・ホテルの経営が悪化し、約5億5000万ドルの負債を抱えた結果、破産申請に至りました。この際、トランプ氏は経営権の多くを放棄しましたが、一部の保有を維持しました。
3. 1992年：トランプ・キャッスル（カジノ）
   アトランティックシティのカジノ事業が苦戦する中、トランプ・キャッスルも負債を抱えて破産申請を行いました。
4. 1995年：トランプ・ホテルズ＆カジノ・リゾーツ
   上記の破産を統合し、新たに設立された「トランプ・ホテルズ＆カジノ・リゾーツ」も資金繰りが悪化し、2004年に再び破産を申請しました。
5. 2004年：トランプ・エンターテイメント・リゾーツ
   破産を経て再編された企業でしたが、カジノ事業の低迷が続き、再び破産に追い込まれました。
6. 2009年：トランプ・エンターテイメント・リゾーツ（2回目）
   2008年の金融危機の影響もあり、経営難に陥った同社は再び破産申請を行い、最終的にトランプ氏は経営からほぼ撤退することになりました。

トランプ氏の考え方と戦略

トランプ氏は、これらの破産について「企業の戦略的な財務再建の一環だった」と主張しています。実際、彼は個人としての財産をすべて失うことなく、企業の負債を削減しながらブランド価値を維持し続けました。

このように、トランプ氏のビジネス手法はリスクを取る一方で、法的な枠組みを活用して事業を立て直す戦略的なものだったと言えます。

まとめ

ドナルド・トランプ氏の企業破産は、主にカジノやホテル事業における過剰な借入や市場環境の変化によるものでした。しかし、彼自身は個人破産することなく、企業の財務を再編しながら事業を継続する道を選んできました。

このような手法が「成功」と言えるのかどうかは議論の余地がありますが、彼の経営手腕が大胆であることは間違いありません。